それは卒業式後の出来事でした。
記念撮影の輪の外で
卒業式が終わって全員が外に出ると
「卒業式」の看板前での記念撮影のために
順番待ちの列ができました。
ただ、そのほかにも友達や先生との写真を
先に撮っている親子もいて、大きな混乱なく
多くの人が看板と担任の先生との写真を
撮っていました。
そして、ほぼすべての親子が
自分たちの記念写真を撮り終わった頃に
学年でも目立つ存在だった男子が集まって
写真を撮り始めました。
すると、そこには女子も交じって
あっという間に多くの子供たちと
その子供たちの呼ばれた担任の先生も加わり
大きな記念撮影の輪が出来上がりました。
どの子もみな楽しそうにしていましたが
中心になっていた男子は卒業式終了後に
泣いていた子たちばかりでした。
さて、そこで我が子はというと・・・
「早く帰ろう!」とイライラしていました。
一番の仲良しだった子とは一緒に写真を撮ったので
それでもう終わったつもりだったのでしょう。
親としては、担任の先生にしっかりお礼を言ってから
帰りたかったのですが、それもできず。
はしゃいでいる友達の輪を外で見ながら
帰路についたのでした・・・。
同じ側の住人
もともと、大勢の人のなかで楽しむのは苦手なカナタ。
この日もその光景を見て「カナタも入ったら?」と聞いたら
「絶対やだ!くだらない!」という返事。
当然すぎる反応でしたがその気持ちはよくわかりました。
というのも、私自身がそういうのが苦手な気質だから。
クラスの中心には決して位置することのない、というより
むしろ自分から距離を置くタイプだったからです。
これは私自身決していいこととは思っていません。
なぜなら、そういう気質の人は何をやっても楽しくない
と思ってしまいがちだからです。
例えば、お祭りなどはその最たるもので、
傍から醒めた目で見てしまうと何が楽しいかわかりません。
だから、どちらかというと損な気質だと思っています。
カナタも昔からそういうところがあると思っていましたが
今回改めてカナタと私は同じ側にいるのだと思いました。
でも、そんなところは私に似ないでほしい。
希望通りの中学校に進学できたのですから
そこで気の合う仲間と楽しい感情を共有できる環境で
私とは反対側に立つ人になってほしいと願っています。